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読みたくて読みたくてたまらなくて久々に単行本を新品で入手、貪り読んだ。
解体工から電気設備技師、木挽やカーペット張りに至るまで、建設現場に関わる様々な職人たちのインタビュー集。
こんな業種があるんだー、この業種にはこんな実態があるんだーっていちいち感心し、そして心打たれる。
決して前向きな仕事に対する思いばかりが書かれているわけじゃない、というかむしろそれぞれの現場が如何に報われないか…そんな嘆きや諦めの言葉の多いこと!
帯びコメント。
「この仕事のやりがい?そういうものは、なければないで一向に構わないんじゃないですか」鳶・土工の親方井上さんの言。
やりがいとか関係ねぇんだよ、家族養うために必要なのは夢じゃねぇ金だ、って。うおお…!!
クリエイティブだ何だとか、人とのつながりがあるからこそ何でもできるんだとか、もうそういう仕事論を聞くことには正直言うと食傷気味だったりする。
そんな薄っぺらなことしか自分も言えないから余計に。
今の時代、生きることに苦労しなくていい。
現代人が求める、考えようによっては甘えられる環境があるからこそ浸っていられるクリエイティブな世界、そんなのとは全く無縁の職人たち。
だからこそ…
ただ生きるためにマニュアライズされた技術をひたすらに続けてきた過程で刻まれる顔のシワの魅力!
何年も何年も現場に立ち、時代の移り変わりに翻弄されながらシビアな納期とクライアントの無茶な依頼に応え続ける過程で生まれた数々の言葉の重み!
いや、たまりません。自分にとって、まさに今このタイミングで読むべき本でした。
知られざる職人たちの仕事。世間はもっとスポットライトをあてるべきだ!